下馬の別邸
下馬の別邸
Concept
世田谷の閑静な住宅街に建つゲストハウス.敷地は起伏の多いエリアの中でもとりわけ小高い丘の上にあり、近隣の住宅街を眼下に、都心の中で風、光、空といった自然の力を強く感じた.ゲストハウスという機能上、周辺の住宅街から切り離された、「閉ざされた非日常」が求められたが、一方で敷地から読み解かれる「非日常を作り出す外部への開放性」という相反する環境を同時に実現しようと試みた.
6つの庭で建物のボリュームを分節し、建物のどこからでも光と風を感じられる平面構成とした.外部の庭や、屋根に覆われた半外部の庭、吹抜けの庭など、室内と庭とのつながり方や、庭の設えに多様性をもたせて計画し、各居室には必ず1つ以上の庭が面するように計画している.
その性格に応じて、内庭・光庭・露地庭・坪庭・裏庭・石庭と名付けた.
同時に、季節や時間によって表情を変え、自然環境を室内に適度に取り入れる、透かし積みレンガによるポーラスな外装シェ―ドで包んでいる. 閉じながらも開かれた、相反する要素が調和する、光、風、空、土、緑をまとう空間が広がることを期待した.
Data
所在地 :東京都世田谷区
構造規模 :RC造
延床面積 :409.34㎡
竣工 :2023年
設計協力:留目知明
施工 :岩本組
外構設計:ふるうち設計室
撮影:Jimmy Cohrssen、ESPAD環境建築研究所