近藤記念館
近藤記念館
Concept
袋井市の浅羽記念公園の一角にある記念館。浅羽出身の近藤健司氏の寄付により、歴史資料館の展示施設として木造で計画した。建物のセンターにエントランスホールを設け、両翼に常設展示室と企画展示室がある。シンボルツリーのある中庭を既存の展示棟との結合部とした。
両展示室は内部に柱はなく、アーチ状の杉丸太によって瓦屋根を支えている。地元産の天竜杉を生木のまま縦に5等分し、ずらしながら曲げてゆき木の楔で固定し、アーチ梁とした。
杉丸太の柱を基礎に固定するのに金属のボルトを使用しているが、それ以外はくぎなどの金物を使用せず昔ながらの加工技術で組み立てられている。
平成天皇・皇后両陛下が浅羽に行幸された折この記念館に立ち寄られ、アーチ状の梁についてご質問されたとの事、設計者として大変名誉なことと思っている。
Data
所在地 :静岡県袋井市
構造規模:木造 地上1階
延床面積 :247.90㎡
竣工 :2010年
施工 :鈴木工務店
撮影 :小林俊之