フェルケール博物館
フェルケール博物館
Concept
清水港の歴史、荷役の歴史、船の歴史等を市民・県民に知ってもらう事を目的とし、静岡・清水の代表的企業である鈴与が同社の発祥の地に博物館を作ることとなった。館名の「フェルケール」は、ドイツ語で人が交流するという意味から鈴与の会長が命名された。
敷地は港から一皮入った場所で、交通量の多い湾岸道路に面している。トラックとその騒音から館内を隔離する目的で、レンガのアールの壁を立てた。館は東・北・西に配置し、外壁は港のレンガ倉庫をイメージして特注のレンガで覆った。又、海をイメージし南の前庭から中庭にかけて流れのある水面を作り、ガラスで囲われた2層吹き抜けのエントランスホールで合流させた。高潮が館に影響を及ぼさないよう、前庭は80cm上げている。来館者はスロープで塀をめぐり、前庭からの流れのセンターを渡ってアプローチする。
館では常設展示とともに年間を通して充実した企画展示が計画され、又、季節ごとにエントランスホールではコンサートが、中庭ではイベントが催される。地域の芸術家たちの発表の場も提供され、広く市民に愛される博物館となっている。
Data
所在地 :静岡県静岡市
構造規模 :RC造 地上2階
延床面積:1,702.78㎡
竣工 :1991年
施工 :鈴与建設
撮影 :木寺安彦、ESPAD
受賞 :静岡県都市景観賞