30年ほど前に 清水市(現静岡市)に設計させていただいた フェルケール博物館の一部外壁改修工事を現在行っているところです。

「清水港ににぎわいを」と清水港の歴史、船の歴史を常設展示すると共に、さまざまな分野の企画展や美術展、ミュージアムコンサートの催し等をを通して 地域の文化振興の中心的役割を担ってきた博物館です。

外壁は当時特注したレンガが残っていないため、改修後の壁が既存のレンガの壁となじむように職人の方がモルタルでレンガの造形を作り、それに着色して再生します。

ディズニーランドの建物で使用した手法とのことですが 仕上がりが楽しみです。

ドイツ語で「人が交流する」という意味の「フェルケール」の館名は、初代理事長の館への思いからの発案です。

清水港に近接した場所に位置し、清水の歴史と深い関わりあいをもつ建物です。

今回の改修工事で これからも長く清水地区の文化の中心的施設として愛され、コロナ収束後は「フェルケ―ル」の名の如く、多くの方達に来館して頂きたいと願っております。

2020年の暮、「宙の家」がJIA環境建築賞の優秀環境建築選に選ばれました。2020年の10月には「宙の家」がGOOD DESIGN賞を受賞しております。

今月号の『JIA MAGAZINE』に第21回JIA環境建築賞の講評が掲載されておりますが、図らずも、2020年に未曾有のコロナ禍にさらされ、多くの方々の知恵と努力によりそれを乗り越えようとしている今、地球環境の大切さを身をもって考える良い機会となりました。

今回選んでいただけた「宙の家」は、放射環境を制御するルーバーを取り付けて快適な住空間を実現するというもので、専門の方々のご意見を伺ううちに、一般の多くの方々のお宅に採用していただくようになるにはもっと精密なデータをとり、ルーバーの改善が必要だと、これからの課題が見えてきました。

SDG’sが叫ばれる現在、一般のお宅で太陽放射、地球放射を制御して、良好な室内環境を実現できるようになるという理想の住居の実現の為に建築家の役割は大きく、もっと研鑽をつんでいくつもりです。

写真:ヴィブラフォト 浅田美浩

あけましておめでとうございます。

今年も穏やかなお正月を過ごし、6日より仕事始めを致しました。昨今の急激なコロナウイルスの感染者数の増大には厳しさを感じますが、まずは個人個人がすべき事を守ってこのコロナ禍を乗り切ろうと思っております。

私達の事務所は引き続き自然を大切に、人にとって快適な空間を追求しつつ、今年も精進してまいります。

本年も宜しくお願い申し上げます。

府中の家
Residence R
素地の家
静岡動物医療センター
久我山の家

先週末 府中の家の東屋でハープとチェロによる小さな演奏会が催されました。

当日はのどかな小春日和のお天気で 7月末に竣工した府中の家のお庭は 落ち葉が地面を覆い、紅葉が赤く色づき、辺りの木々も黄色く色づきはじめ 庭の片隅に造られた水場からの流れの音に癒されて 幾年も経過したような落ち着きと心地よさが漂っておりました。

午後の穏やかな木漏れ日を受けて 演奏会はスタートしました。

当日はチェリストの方が サンサーンスの白鳥、ドヴィッシーの亜麻色の髪の乙女等 クラッシックの曲の他、荒井由美のひこうき雲、カーペンターズメドレー、等 年配の方にも馴染みのある曲を選曲してくださいました。

最後には故郷~里の秋~紅葉~小さい秋見つけた~夕焼け小焼けを演奏して観客も皆、マスクをつけながら歌い コロナ禍の中 久しぶりに人とのつながりを感じた温かい時間を過ごせました。

気がつくと近所の方、通りすがりの方も参加して塀のない庭は魅力的な屋外小ホールとなっておりました。

この演奏会を開いてくださったお施主様、チェロとハープの奏者の方々、忙しい中、このコンサートの為に尽力された方々に感謝した一日でした。

30年前に当事務所で設計させていただいたお宅に東屋を増築しました。お施主様が南隣の土地を購入する機会に恵まれ、既存の柿の巨木を生かした庭と、それは眺め、楽しむための居場所を作る計画でした。 

造園家の エービーデザイン正木覚氏が担当された庭は、植樹したとは思えない、立派な木々が生い茂り、小川のせせらぎが聞こえる、都内の住宅街とは思えない豊かな空間になりました。

それを生かすために東屋は、床と屋根だけのシンプルな構成で、周囲の住宅を隠し、美しい庭だけを眺めることができる空間として設計しています。

お施主様の要望で、道路との間にフェンスのない、誰もが訪れることのできる場所となり、ご近所の方々との井戸端会議や、犬の散歩道としてつかわれていて、早くも町中のオアシスになっているようです。

弊社が設計させていただいた 2018年竣工の「宙の家」がグッドデザイン賞を受賞致しました。

地球物理学者であるMTS雪氷研究所の松田益義氏が、弊社で2008年に設計させていただいた八ヶ岳山荘で放射と室温環境に関する観測、実験を行い、その結果から開発したルーバーをトップライト内側に設置し、屋内温度と外気温のコントロールをコンピューター制御することで今までにないエコ住宅を実現し、1年間の経過観測により、効果が実証されたことで高い評価を受けました。

都心の狭小地であっても 屋根の上には無限の宇宙空間が広がり、放射エネルギーを用いて冷暖房のコストの最小化を可能にし快適な「冬の陽だまり」と「夏の涼夜」を可能にしたものです。

今後は快適な住環境を生み出すシステムとしてだけでななく、住宅以外の建物にも取り入れて屋内環境の向上に寄与したいと思います。

関心のある方はお問合せください。

https://www.g-mark.org/award/describe/50754?token=jED8xnLsdJ

弊社が コノイエというサイトに御紹介していただきました。
インタビュー方式で 藤江代表と2代目の藤江保高の経歴及び、家づくりに関して大切にしている事、今まで40年間設計にたずさわってきて
「永く受け継がれる家づくり」への思い等を お話させていただきました。

事務所の内部、外部の雰囲気等も含め、読んでくださる方にわかりやすく紹介していただきました。
よろしかったらご覧ください。

一昨年、事務所の耐震改修工事を実施しました。
所長室は北側一面ガラス面で中庭の植栽が楽しめて気持ちがいいのですが、冬は1階で北側に向いていて寒いので、どうしたら温かくなるか頭を悩ませていました。

そこで北側のガラス面にタチカワのハニカムスクリーンのブラインドを設置することを思いつき工事しました。
見事に断熱効果があり、室温が4~5度上昇した感じです。
また障子のような白色で部屋に温かさと落ち着きを与えてくれていて 大成功の選択であったように思います。

ブラインドを少しあげると 植栽のフッキソウが顔をのぞかせ、その日の気温や天気でブラインドを上げ下げして雰囲気を楽しんでおります。
事務所でのヒントと実験が他の住宅にも生かせると思いました。
温かくなった所長室で皆様のご来訪をお待ちしています。(F)

寒中お見舞い申しあげます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

小金井の家が竣工しました。

都内旗竿敷地に建つ、若いご夫婦と2人の女の子のための住宅です。

これからの子供たちの成長を見守る家になるため、光と緑に溢れるおおらかな空間にしたいと考えました。
しかし、都内の狭小敷地であり、容積率が80%のため、床面積を大きくとれません。
そこで、南側が駐車場で陽がふんだんに入ることを活かし、容積率にカウントされない、奥行2mのバルコニーを設けています。
内部からは深い庇と壁に囲まれた大きな居間に感じられるし、外部からは家族のプライバシーを守ってくれる中間領域になります。