あけましておめでとうございます。
今年も穏やかなお正月を過ごし、6日より仕事始めを致しました。昨今の急激なコロナウイルスの感染者数の増大には厳しさを感じますが、まずは個人個人がすべき事を守ってこのコロナ禍を乗り切ろうと思っております。
私達の事務所は引き続き自然を大切に、人にとって快適な空間を追求しつつ、今年も精進してまいります。
本年も宜しくお願い申し上げます。
先週末 府中の家の東屋でハープとチェロによる小さな演奏会が催されました。
当日はのどかな小春日和のお天気で 7月末に竣工した府中の家のお庭は 落ち葉が地面を覆い、紅葉が赤く色づき、辺りの木々も黄色く色づきはじめ 庭の片隅に造られた水場からの流れの音に癒されて 幾年も経過したような落ち着きと心地よさが漂っておりました。
午後の穏やかな木漏れ日を受けて 演奏会はスタートしました。
当日はチェリストの方が サンサーンスの白鳥、ドヴィッシーの亜麻色の髪の乙女等 クラッシックの曲の他、荒井由美のひこうき雲、カーペンターズメドレー、等 年配の方にも馴染みのある曲を選曲してくださいました。
最後には故郷~里の秋~紅葉~小さい秋見つけた~夕焼け小焼けを演奏して観客も皆、マスクをつけながら歌い コロナ禍の中 久しぶりに人とのつながりを感じた温かい時間を過ごせました。
気がつくと近所の方、通りすがりの方も参加して塀のない庭は魅力的な屋外小ホールとなっておりました。
この演奏会を開いてくださったお施主様、チェロとハープの奏者の方々、忙しい中、このコンサートの為に尽力された方々に感謝した一日でした。
30年前に当事務所で設計させていただいたお宅に東屋を増築しました。お施主様が南隣の土地を購入する機会に恵まれ、既存の柿の巨木を生かした庭と、それは眺め、楽しむための居場所を作る計画でした。
造園家の エービーデザイン正木覚氏が担当された庭は、植樹したとは思えない、立派な木々が生い茂り、小川のせせらぎが聞こえる、都内の住宅街とは思えない豊かな空間になりました。
それを生かすために東屋は、床と屋根だけのシンプルな構成で、周囲の住宅を隠し、美しい庭だけを眺めることができる空間として設計しています。
お施主様の要望で、道路との間にフェンスのない、誰もが訪れることのできる場所となり、ご近所の方々との井戸端会議や、犬の散歩道としてつかわれていて、早くも町中のオアシスになっているようです。