6月1日発売の建築ジャーナル6月号に 42年間(1979-2021)の代表的な作品を12ページにわたって特集していただきました。
博物館・美術館、アトリエ、病院建築、住宅・山荘、集合住宅、ベトナムでの活動等 写真を中心に紹介されております。
建物に集う人と周囲の環境が心を通じ合い、安らぎを受けることができる そんな空間を意識して 42年間取り組んでまいりました。
近年は 豪雨、台風、熱波、竜巻など 自然環境が厳しくなり、建築の性能を上げることが強く求められております。
外部の環境と室内を遮断するのではなく、求められた性能を満足しながらも、外と内、人と人が良好な関係を保ち、風通しのよい快適な生活の営みを実現することを目指して 今後共努力していく所存です。
書店でお手に取り ご覧いただければ幸いです。
30年ほど前に 清水市(現静岡市)に設計させていただいた フェルケール博物館の一部外壁改修工事を現在行っているところです。
「清水港ににぎわいを」と清水港の歴史、船の歴史を常設展示すると共に、さまざまな分野の企画展や美術展、ミュージアムコンサートの催し等をを通して 地域の文化振興の中心的役割を担ってきた博物館です。
外壁は当時特注したレンガが残っていないため、改修後の壁が既存のレンガの壁となじむように職人の方がモルタルでレンガの造形を作り、それに着色して再生します。
ディズニーランドの建物で使用した手法とのことですが 仕上がりが楽しみです。
ドイツ語で「人が交流する」という意味の「フェルケール」の館名は、初代理事長の館への思いからの発案です。
清水港に近接した場所に位置し、清水の歴史と深い関わりあいをもつ建物です。
今回の改修工事で これからも長く清水地区の文化の中心的施設として愛され、コロナ収束後は「フェルケ―ル」の名の如く、多くの方達に来館して頂きたいと願っております。
2020年の暮、「宙の家」がJIA環境建築賞の優秀環境建築選に選ばれました。2020年の10月には「宙の家」がGOOD DESIGN賞を受賞しております。
今月号の『JIA MAGAZINE』に第21回JIA環境建築賞の講評が掲載されておりますが、図らずも、2020年に未曾有のコロナ禍にさらされ、多くの方々の知恵と努力によりそれを乗り越えようとしている今、地球環境の大切さを身をもって考える良い機会となりました。
今回選んでいただけた「宙の家」は、放射環境を制御するルーバーを取り付けて快適な住空間を実現するというもので、専門の方々のご意見を伺ううちに、一般の多くの方々のお宅に採用していただくようになるにはもっと精密なデータをとり、ルーバーの改善が必要だと、これからの課題が見えてきました。
SDG’sが叫ばれる現在、一般のお宅で太陽放射、地球放射を制御して、良好な室内環境を実現できるようになるという理想の住居の実現の為に建築家の役割は大きく、もっと研鑽をつんでいくつもりです。
写真:ヴィブラフォト 浅田美浩