駿府城や浅間神社など、文化施設が集まる地域に建つ静岡市内の美術館。日動画廊の評議員であり、絵画の蒐集家でもあるオーナーが、市民にもコレクションに親しんでもらいたいという要望であった。建物はシンプルに効率よく絵画鑑賞ができることを目指し、1階を企画展示、2階を常設展示とし、吹き抜けの大階段でつないだ。防犯のためコンクリートのボックスとしたが、エントランスの壁の裏側に孟宗竹の小庭を作ったことで、屋内にやわらかな光がそそぎ、絵画鑑賞後に安らぎを覚える空間を作ることができた。